気象情報と航路最適化が生む、新たな海運の可能性

日本気象協会

気象、防災、環境分野における調査、分析、情報提供、コンサルティングなどをワンストップで提供し「安全・安心・快適な社会づくり」を目的とした一般財団法人様。「POLARIS Navigation」と「Aisea」のデータ連携で、船舶動静と気象情報の重畳表示が可能になりました。燃費が最小となる最適航海計画支援サービスがもたらすメリットを、社会・防災事業部 佐藤淑子 様に伺いました。

気象データが切り拓く、効率的で環境に優しい運航

日本気象協会は、海運・港湾向けに気象海象データサービス 『POLARIS Forecast』『POLARIS Navigation』を展開しています。『POLARIS Forecast』は航海前のリスク評価や計画立案に活用され、『POLARIS Navigation』は燃費効率や安全性を考慮した最適航路を提案します。『POLARIS Navigation』「Aisea PRO」と連携し、船舶動静情報と気象データを統合。安全運航に加え、GHG排出削減や経済的な運航にも貢献しています。

データの可視化で魅せるウェザールーティングの価値

従来のウェザールーティングでは、航行後の効果検証やデータ管理に課題があり、現場での実感が得づらい状況が続いていました。こうした課題を解決するのが「Aisea PRO」です。船位情報やエンジンの運転データをリアルタイムで収集・可視化し、航行中の情報を陸上と船上で共有することで、選定した航路の成果を定量的に把握できる仕組みを提供。これにより、ウェザールーティングの効果を現場で実感できるようになり、納得感のある運用改善や継続的な活用にもつながっています。

既存船から港湾業務へ―広がる活用のフィールド

GHG対策は新造船中心ですが、海運業界全体で考えると既存船への対応が不可欠です。『POLARIS Navigation』「Aisea PRO」はソフトウェア型のため初期費用も安価で、大きな改修工事も必要なく簡単に導入可能でレトロフィットに適しています。両サービスの連携により、既存船でも高度な航路最適化を実現し、脱炭素化の底上げに寄与します。さらに、港湾の現場では気象による入港可否や荷役の可否判断といった安全対策・作業効率向上化など活用へと広がりを見せています。

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