Aisea PRO導入により動静連絡をデジタル化
丸三海運様は、大阪を拠点に、香川や沖縄、福岡に営業所をもち、日本沿岸航路から近海航路にわたる定期船、内航船海運輸送業を行っている内航海運事業者様。長い歴史と豊富な実積を基に、新幹線などの車両から建材、プラント機材、鋼材といった多種多様な積荷をスピーディーかつ安全に運び、あらゆる産業の輸送機関として社会の輸送ニーズに応えています。この度運航船舶にAisea PROを導入いただき、プラットフォームとしての拡張性の高さを活かして動静連絡をデジタル化。社員の休日勤務を廃止する等働き方改革の推進にAisea PROを活用いただいてます。
今回、代表取締役社長 荒川 和音様、船舶管理部 課長 井上 英之様に、Aisea PRO導入の背景や感想について伺いました。
Aisea PRO導入の背景
会社概要
荒川様:弊社では、内航海運業と自動車運送事業、つまり船の海上輸送とトラックでの輸送の二つが事業の大きな柱を担っています。
現在は社船6隻で不定期船の他、定期航路では大阪と福岡から沖縄向けに、毎週火・木・土の週三回それぞれ荷配を行っています。大阪航路については、499tの船で伊予三島と大阪で積んで沖縄に向けて運航しています。船舶は小型から大型の船に切り替えていき船腹の増強を図っております。沖縄向けの荷物が増えてきたことに伴い、船腹も拡大を図ってきたという状況です。
動静連絡業務に課題
井上様:本船から毎日、紙文書で動静連絡をFAXで営業所の担当部署へ発送していました。その発送されたFAXを担当営業部署が中身を確認した後に本社へ再度FAXするという、かなり手間がかかった業務になっていました。
荒川様:問題点は、休日・祭日の動静連絡をどうするか、ということです。現実的には、朝に平日と同じように本船から動静連絡が流れてきているのですが、従業員の皆様は自宅ですからFAXを手元で見ることができないので、(当番の担当者が)直接船に電話して、船の動静を確認するという状況でした。
そういった若い社員達が時間に束縛されてしまうということが気の毒で、どうにかすることができないかということで、今回のAisea PROの導入に至りました。
我々が今アナログでFAXを流して事務所で見ている分を電子化して、会社の各自のパソコンやスマートフォンで把握する。そうすれば、休日・祭日の当番の人が常に船に連絡を入れるということが削減でき、一日ゆっくりできるようになる、と考えました。
デジタル動静連絡を導入してみて
Aisea PRO導入後の変化
井上様:本船からの動静連絡が、Aisea PRO導入によって、FAXのように担当者が動静を確認した後に陸上職員に配信するという手間から、直接本船から必要部署の担当者に配信できる形に代わり、まずタイムラグがなくなりました。それに加えて、既読機能を付けたので、誰が既読で誰が未読であるかも瞬時に把握できるようになりました。それらを踏まえた意思疎通が図れるようになったことは非常に良かったと思います。
平日ですと、事務所に来ないと見ることのできなかった動静連絡情報を、事務所に出勤前もしくは外出先で把握できるようになったことは、Aisea PROを導入して良かった点ですね。
FAXだと、送信確認・受信確認が紙で全てできていたため、その安心感はかなりあったと思います。それをいきなりデジタル化ということになると、本当に連絡ができているのだろうか、という不安感の方が強かったみたいです。
あと、乗組員の管理にしても船舶の管理にしても、一つ一つの船舶に図面、取扱説明書、仕様書といった文書について、本船で全て紙文書で保管していたものをデジタル化してサーバーで保管していた状態でしたが、そのデジタル化したサーバーの中でも、一人が閲覧していたら他が閲覧できない状態でした。
Aisea PROの場合、クラウドで管理できるということで(そういった制限がなく)、なおかつ他社のクラウドと違って海運に特化したクラウドサービスということで、非常に使いやすいと思っています。
今後の展望
Aiseaと他システムの連携による業務効率化
井上様:以前は他社のシステムをコラボして一つのソフトに入れることができなかったのですが、Aisea PROはそれを可能にするということで、非常に役立っています。
今別々に管理いるものとして、船に搭載しているカメラ、営業所に設置してある運航風速計、あとは今船で持っている気象協会様の気象データが挙げられます。そういったものを同時にAisea PROに取りこむということを考えています。
さらに今進めているのは、メインエンジンのエンジンデータもAisea PROに取り込めるということなので、今導入に向けて準備しているところです。
※2021年7月に竣工した新造船「島風」で上記機能を実装
アイディアへの期待
井上様:今までシステム開発をするとなると、費用面でも開発期間という点でも、桁が違う話でした。よって、メーカーの皆様も後ろ向きな方が多かった。その中でアイディアさんに話を出したところ、前向きで「すぐやりましょう」ということになり、決めさせていただきました。
私たちが一番驚いているのはスピードの速さ。海運会社のソフトウェア開発では、新規のものでは半年一年かかることも多いのですが、それが(アイディアの場合は)数日・1週間単位でキャッチボールができている状態です。それを通じてカスタマイズができている。
それが、今までアイディアさんが培ってきた、陸上のインターネットの業務による知見なのだろうな、と思っております。
動静連絡のメリットとしては、デジタル化することによって、今まで手書きで文章を送信するためには、紙文書をFAXのところまでもっていかないと送信できなかった。
それが、船長が食事をしながらでも、部屋で休憩しながらでも、時間があればいつなんどきどこでもiPadで打ち込めて発信できるのはいい機能だと考えています。
弊社COO浮田からのコメント
浮田:海運業の方々に対して、こんな使い方ができます、という形でセミナーをやらせていただきました。そこに丸三海運の井上様が来ていただいていて、私たちのシステムを見て何かできそうだな、と思っていただきました。その後1~2か月くらい商談の機会をいただき、井上様以外の他の社員の方にも参加いただいて、そこでAisea PROがどういうサービスであるかを説明させていただきました。
その上で現状の課題についてお話させていただいたところ、FAXでの定期連絡という話をいただいたり、人の管理や船舶の書類管理の課題という話もいただいたのですが、まずは基本機能を使っていただくということと、一番大きい問題であるFAX連絡のところをAiseaに取り込む、という点が急務だよね、ということで、取り組みを始めさせていただきました。